財務という別領域から人材マッチングに興味を持ち、人材紹介のキャリアステップを重ねて、2012年アマゾンジャパン(以下アマゾン)へ。同社の採用スタイルを変革し、今もパイオニアとして最前線を走っておられる篠塚寛訓様に、業務改革のポイントや次世代採用の未来を伺いました。

採用規模に応じて、採用業務を仕分けし、共通する部分を集約化・専門化できればリクルーターは採用に直結する活動に専念できる

採用チームを集約する際「業務を効率化すること」も大きな目標でした。リクルーターの仕事は、細分化してみると、純粋な採用の業務は約8割です。あとの2割のうち、面接スケジュールの調整や契約書作成などは「リクルート・コーディネーター(RC)」という職種が行っています。そこで、RCを採用の後方支援として集約させることにしました。

更に、「タレント・アクイジションチーム」として全体最適を図るために、プログラム・マネージャー(PM)も新設しました。横断職種であるPMが行うことは、直接の採用業務とはまた別の軸での専門性が高い仕事です。具体的には「SNSの活用などによる採用ブランディング」や、「社員からの知人紹介の推進」、「ダイバーシティーの関点からの採用人数の決定や目標管理」などを行います。


また、「候補者の満足度調査」や「面接以後の合否回答進捗管理」もPMが兼務しています。リクルーターにはより採用に直結する活動に専念してもらうべきです。これらは個々のリクルーターに託すと負担となりやすいので、PMによって運用することにしました。

このように、「採用活動の内容を見直し、共有できる部分は集約してしまうこと」で、
より効率的に、精度の高い採用ができるチームになったと考えています。

 

例えば、SNSの活用などは、リクルーター各人がそれぞれの知識・経験に基づいて行うよりも、専門家であるPMがデータ分析して適切にアクションしていくべきなのです。
「餅は餅屋」です。採用業務を細分化し、専門家をより多く作っていくことが、採用のレベルを上げてくれるものだと実感しています。

 

また、一度決めた組織や役割の再検討は頻繁に行っています。なぜなら、ビジネスの成長に合わせて、それらは当然変化すべきものだからです。業務を集約し、そのボリュームが増えれば担当する専門家も増えるので、採用人数が100人と1,000人とでは、PMの体制も違って当たり前でしょう。PMについても、どういう業務のPMを置くべきか、四半期に1~2回は再検討するようにしています。

私自身はアマゾンでのやりがいを、「採用のボリュームに合わせて効率化させていける」ことだと考えています。またアマゾンでは常にスピード感をもって変化することができることが他社との大きな違いです。そこまで採用ボリュームのない企業においても、今後、採用業務の見直しや効率化は重要でしょう。また、最近のビジネスシーンでは、同業他社とも各種業務や設備の共有化が進展していますから、採用業務においてもあり得るかもしれません。
 

採用においても、テクノロジー領域は、想像以上のスピードで進化。「人」しかできない、「自分」だからこそできることを日々意識すべき

私はリクルーターとは「究極の営業職」だと思っています。「究極の」というのは、扱っているのが「人間」だからです。通常の商取引であれば売買の状況や需給バランスは、数値を見て改善を図ればよいでしょう。また、モノであれば、買う側が欲しいといえば売買が成立しますが、採用ではそうはいきません。採用する側とされる側、双方の視点を持つことが必要なのです。

 

財務からキャリアをスタートさせている自分にとっては、採用も「需要と供給のマッチング」です。例えば、偏差値が50の人はできれば51以上の会社に入りたいでしょうし、偏差値50の会社も51以上の人を採りたいはず。ですから、50の人と50の会社をマッチングさせるのは、非常に難しいことなのです。また、現在50の人も、1年後には成長著しいかもしれませんし、50の会社が急成長を遂げる可能性だってあります。そうした将来性まで含めると、ますます採用とは「究極のマッチング」に思えるのです。

 

近い未来を考えると、精度の高いマッチングは、AI(人工知能)など「機械」の領域なのかもしれません。なぜなら「面接」では目の前の人を判断するのに主観が入ってしまいがちです。例えば、ヒゲやメガネなど、見た目の印象ゆえに、良い人材を見逃すことがあるかもしれません。機械ならそうした偏見は無用ですし、音声や文字を介した会話のやりとりで、その候補者の考え方や志向を読み取れる時代も近いのではないでしょうか。

また、場合によっては、候補者自身が自覚していないような価値観まで、機械が把握してしまうかもしれません。内定が得られても、家族の反対で断るようなケースでは、実は最初に本人が家族の気持ちを転職で重視している点に気づけていなかったりするわけです。

早い段階からそれに気づけるようなツールが開発されれば、採用のミスマッチを減らすことも期待できるでしょう。

 

このような話も日頃からメンバーと行っていて、「自分の仕事が、機械に置き換えられるものでないか」を常に意識するように言っています。

実際、スカウトメッセージの自動作成ツールは既に使われているようです。

SNSを巡回して得た情報を通じて、候補者の趣味や家族構成を加味できるようになれば、機械が候補者の心の琴線に触れるメッセージをタイミングよく送ることも難しくはないでしょう。その意味で、人の仕事のレベルは軽々と超えられてしまうのかもしれません。ただ、入り口部分のコミュニケーションはそれで事足りたとしても、熱意を持って候補者を口説くような場面では、やはり人間力がモノをいうものです。

そこが、「リクルーターの価値」となるのでしょう。

篠塚 寛訓 様

1998年にニューヨーク大学スターンビジネススクール卒業後、メーカーにて海外営業と財務関連業務を経験。2005年、テンプル大学にてMBAを取得。在学中に人材、人事業務に興味を持ち、株式会社毎日コミュニケーションズ(現・株式会社マイナビ)の人材紹介部門立ち上げに参画。株式会社日経HRでの勤務を経て、2012年、アマゾンジャパン合同会社に入社。欧米のビジネススクールを中心にMBAホルダー採用や、国内の新卒採用プログラムをリードした後、2015年より現職。採用部門を再構成し、統括責任者を務める

アマゾンジャパン合同会社
人事統括本部人事部部長

タレント・アクイジションチーム シニアマネージャー
篠塚 寛訓 様

倉森様

人材の需給バランスをうまく調整し、結果が明確な採用の仕事に魅了される

社会人として当初は、財務など数字を扱う仕事をしていました。その後、MBAを取得中に、まだ知名度の低いシリコンバレーのベンチャー企業の採用活動を考えるケーススタディーで、給与以外の条件でも人は動くと気づき、「採用」という仕事に関心を持つようになりました。

他の商取引と違い、「企業がこの人をとって良かった」、一方で「個人がこの会社に入ってよかった」というシチュエーションを作り続けるのはとても難易度の高いことに思えたからです。このような「目には見えない双方の利益を数値化で解決できないか」ということを、採用の世界に入った頃には考えていました。

 

人材紹介会社2社を経て、アマゾンに入社したのが、2012年のことです。それまでは「採用するところ」までしか関わっていなかったので、「採用から後の成長までを見ることのできる仕事がしたい」と思い入社しました。

 

アマゾンではMBA取得者を採用し、3年間のプログラムで成長をサポートする部分に携わりました。その業務を3年ほど担当してわかったのは、採用は狩猟民族的な仕事で、育成は農耕民族的な仕事だということです。そして、自分には結果をすぐに感じられる前者のほうが向いていると実感しました。

 

理由としては「入職者が成長してくれた」と感じたとしても、それは「プログラムによるもの」というよりは、その方自身の功績だろうと思わされる局面が多くあったからです。

そこで、私は「採用」に注力していくことに決めました。中途も含めた全ての採用業務を集約した「タレント・アクイジションチーム」を立ち上げ、取り仕切りを行い今に至ります。

主催:プロ・リクルーター養成講座事務局

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