外資系人材紹介会社での6年間のリクルーター経験を経て、日本オラクル株式会社に入社した李様。グローバルで展開する組織ならではの大変さや面白さ、候補者とのコミュニケーションの工夫などを伺いました。

会社を深く理解し、思いを持ってリクルーティングをしたいと思った

リクルーターのキャリアをスタートする前は、コールセンターや営業職で社会人経験を積んでいました。ふと、これからの長い仕事人生を考え、営業で培ったコミュニケーション力と得意だった英語を使って、ほかの文化圏の人と密に関わり合える仕事がしたいと考えるようになりました。そ以前留学しようと英語を長く勉強していた時期があり、外国の方と出会える仕事ができたらいいなと常々思っていました。そんな時、知り合いから「それなら、リクルーターという仕事がある」と教えてもらい、チャレンジしてみることにしました。その後、外資系の人材紹介会社に転職し、IT企業を中心に6年間リクルーターの経験を積みました。

日本オラクルでインターナル(社内)リクルーティングにチャレンジをしようと思ったのは、エージェント時代にあるジレンマを抱いていたからです。お客様(担当企業)が毎回変わり、時にはミーティングも頻繁にできず社長や部門のマネージャーときちんと話すこともないままリクルーティングを行うこともありました。自分なりのリサーチは徹底的にするものの、その会社の空気感や実情、採用の背景まで知ることができず、胸を張って「この案件がいい」「この案件はこういうものです」と言い切れないことが何度かあったのです。

 

もっと感情移入をして、そして酸いも甘いも分かった上で、地に足の付いたリクルーティングが出来たら。。という思いがあり、2016年11月に日本オラクルで新たなチャレンジをすることに決めました。IT業界のリクルーターとして、一つのテクノロジーに強い理解を持っているわけではなかったので、事業会社でより専門性を持ちたいという思いもありました。また、日本オラクルの、在宅勤務が当たり前にできる自由な働き方にも魅力を感じましたね。

上からの情報をうのみにせず、現場を回って必要な人材像を具体化していく

現在は、日本オラクルにおけるグローバル組織所属ポジションの採用を担当しています。最近ではアメリカやオーストラリア、シンガポール、インドなどのマネージャーから、「日本でこんな新しい組織を立ち上げたい」といったニーズを受けることが多く、これからの組織体制に必要な人材の採用を進めています。職種はサポートエンジニアから、独自性の高い製品のセールス、人事やファイナンスまで多岐にわたります。常時、平均して約20ポジションを扱っています。

グローバル組織でリクルーティングをするうえで大変なのは、日本の採用市場について、各国のマネージャーに丁寧に説明する必要があることです。採用市場の状況は世界各国で異なります。例えばインドやフィリピンなどの勢いのあるアジアの国々では、労働人口も増えており、給与が上がっていくことは当たり前、若手はいい環境を求めてどんどん転職していくという特徴があります。新興国と異なり、少子化が進む日本の売り手市場では「どうしてこの人材が見つからないのか」とグローバルのマネージャーに首をひねられることも多々あります。グローバルマネージャーに「英語が話せて、求めるスキルを持った人は非常に少ない」と説明しても、そもそも「なぜ英語が話せないのか」と日本市場の基本的なところを理解してもらえません。

またワークスタイルの違いも大きく影響します。例えばアメリカなどではよくある「電話営業でクロージングまで進める」という営業スタイルも、日本にはなじみが薄く、その経験を持った人材を求められてもなかなか見つかりません。そういったさまざまな文化的な違いを共有しながら、コミュニケーションを密に進め、お互いの視点を合わせることから始めなくてはいけません。

今までで一番印象的だった仕事は、入社してすぐのタイミングで任された、データセンターの立ち上げ案件です。営業やコンサルティングに特化した日本チームはすでに存在していますが、その組織内に新たに、テクノロジーの専門チームを立ち上げるというものでした。任された複数のポジションのマネージャーはすべて異なる国に拠点を置いていました。そのうえこのマネージャーたちから求められるエンジニア人材のスペックが非常に高かったのです。マネージャー側も初めて日本で人を採用するので、実際にどんな仕事をするのかが具体的になっていないまま、必要とされる経験やスキルをすべてこちらに伝えてきているという状況でした。

そこで私が行ったことは、既存の日本チームでの営業やプロジェクトマネージャー、ほかの技術チームのメンバーに話を聞き、業務の流れを自分のなかで映像化できるほど詳細を詰めていくことでした。情報を立体的に集めていくと、「マネージャーからはA、B、Cすべてのスペックが必要だと言われていたけれど、関連チームにて一緒に業務を進める方のなかに、Cの分野に非常に強い方がいる。その協力を仰げば新規入社者がCに弱くても補完しあえるかも知れない。

 

であれば、Cの経験は入社後に経験をしていただいても問題ないのではないか」といった仮説を立てられるようになります。これらの情報をマネージャーと共有し「まずはAとBのスキルを優先して採用を考えたい」などとすり合わせをしたことで、全ての5つのポジションを無事採用することができ、彼らは今でも活躍しています。一つの情報だけをうのみにせず、採用ニーズが生じた背景を多角的に見ることで、採用の幅をぐっと広げることができる。そのように実感した貴重な経験となりました。

効率的な意思疎通のために、候補者とのコミュニケーションは電話面談が中心

リクルーティングは、候補者に何らかのメッセージを伝え、スカウトし、入社していただくという、とても責任のある仕事です。だからこそ、採用部門のマネージャーと「こんな人も活躍できるのではないか」といったディスカッションを密に重ねます。その結果、採用決定を出した方が、入社後に活躍していることを知ったとき、人が作り出す化学反応の面白さにうれしくなります。

転職を意識していない候補者の方と話す機会も多くあります。その際は、「仕事で何を実現したいのか」をヒアリングし、「3年後に今の環境で実現できるか」「できないのなら、どんな環境であれば実現可能か」など、いろんな質問を重ねながら、本人の思いを立体的に引き出すようにしています。

その際に、常に意識しているのは、客観的なデータに基づき、その方の市場価値や今後考えられるキャリアパスについて伝えることです。私の強みは、IT業界のリクルーティング経験が長いこともあり、業界の分布図を描けることだと思っています。

候補者の話を聞いていると「この人には次にこんな選択肢がある」「この技術分野ならこんなニーズがある」など、さまざまな可能性が浮かんできます。候補者のなかには、「自分はどこでも活躍できる」と思っている方から、「自分の技術は今の場所以外では活用できない」と過小評価している方までおり、自分の市場価値を正確に把握できている方は少ないと感じています。自分の状態や価値を客観的に知り、今いる環境以外の選択肢には何があるのかを整理するプロセスは、その方の可能性を広げると思っています。私が提供できる選択肢がすべてではありませんし、最終的に答えを出すのは本人です。結果として現在の会社にとどまるにしても、ほかの道を見つけて転職を決定するにしても、キャリアを考えるきっかけを与えられることが、リクルーターの仕事の好きなところです。

日本オラクルに入り、働き方は大きく変わりました。現在は週の半分は在宅勤務になり、候補者との面談は電話での対応がほとんどを占めています。グローバル市場では国土の広さが理由かもしれませんが、通常だと電話面談が推奨されています。電話でコミュニケーションを取ることに慣れてくると、1時間対面で話しても、電話で15分話しても、会話の濃度にほとんど違いはないと感じるようになりました。大幅な時短になり、1日でコンタクトを取れる候補者の数も多くなります。「会わなければ信頼関係が築けない」「深い話が聞けない」という意見もあるかもしれませんが、少なくとも私は、電話でこまめに連絡を取り合う方が、お互いの時間を無駄にせずスムーズで効率的なリクルーティングができると思っています。
 

李 勇希 様

外資系人材紹介会社ロバート・ウォルターズ株式会社で6年間、IT業界を中心にリクルーターとして活躍。2016年11月より現職。

日本オラクル株式会社
人事本部 採用企画部
Senior Talent Advisor
李 勇希 様

主催:プロ・リクルーター養成講座事務局

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