新卒から一貫して人事畑を歩み、30代からは楽天、LinkedIn、アクセンチュア、日本アイ・ビー・エム(以下「IBM」)で採用を軸としてキャリア形成されてきた杉本様。日本でいち早く「ダイレクト・ソーシング」と出会い、活用してきた思いと「リクルーター」という仕事の持つ可能性について伺いました。

ビジネスリーダーとしての土台を築いた楽天時代の経験が、採用を通じて経営戦略を実行する源泉に

2006年から30代前半を過ごした楽天で、採用のオペレーション構築と運用を任されました。何事も120%達成を狙うカルチャーで、採用目標人数に対しても追い込み型のマインドセットを刷り込まれました。これは、ビジネスリーダーの素養として、今も生きていますね。

 

「採用を通じて事業推進に貢献する」という意識が強まったのもこの頃です。中途採用マネージャーとして全体管理をする傍ら、個人のミッションとしてエグゼクティブ採用とMBA採用を担当していたのですが、楽天の経営方針がグローバルビジネスを一気に推進する過程で、求める人物像がどんどん変化しました。例えば、「英語必須で日本語不要、優秀なMBAが欲しい」と言われることがありました。

 

もちろん、「日本語必須」と思っている現場としては、このニーズが全く腹に落ちていないものの、もっと先を見据えている社長としては現場に明文化されて落としこまれていないニーズがあるようでした。「しっかり現場に落としてから……」と順番にやっていると時間がかかってしまうので、社長のインスピレーションを信じて採用活動を進めながら、現場を巻き込むプロセスを通じて「現場の理解を醸成する」というスタンスで進めていました。そうすると徐々に現場の理解が社長の方針に追いついてきて。「先んじて着手しておいてよかった」と強く実感しました。その時から、目に見えているニーズはもちろん、潜在的なビジネスニーズを意識するようになりました。

 

このような楽天時代の経験を通じて、「ビジネスリーダーの考えをどう理解するか」、そしてその考えを「採用活動にどう反映させていくか」が最も重要だと考えるようになりました。

 

次の転職は2012年です。ビジネス特化型SNSによる「ダイレクト・ソーシング手法」を日本に上陸させる事業の陣頭指揮をとりました。「エヴァンジェリスト」として日本企業に「ダイレクト・ソーシング」を普及、浸透させる役割を持ちながら、自社の組織づくりや採用を「ダイレクト・ソーシング」のみで行っていくという2本立てのミッションでした。営業と連携することで、多様な日本企業の採用課題にも触れられましたから、採用のスペシャリストとして貴重な経験だったと思います。

コミット力の強化に尽力。採用の肝はあくまでアクションを決めてやり抜くこと

IBMでは、日本における人材採用全般を取り仕切っています。入社した2017年は、前年から大きく採用人数を増やしたタイミングでした。それに伴い、まずは各部署からの人材ニーズを満たすために、人材紹介会社のネットワークも駆使して、目標達成を遂げました。

2018年は、本来の目標であった「ダイレクト・ソーシング比率」の向上を重視しています。あらかじめ望ましい人材をプールしておき、採用ニーズが生まれた瞬間にすぐに適した人材を確保できるような採用チーム体制に移行させました。この体制への移行によって、メンバーが案件ごとに戦略を立てて採用に自律的に取り組むようになっています。

特別なことに挑むのではなく、採用の本質はやはり「コミットメント」、すなわち約束を果たすことだと考えています。「単純なことをとことんやり抜けるか」が重要なので、面白いこと、目先の変わったことをやっても、たまにはうまくいくかもしれませんが、それが王道にはなり得ません。人材のサーチを行い、メールを送り、返信が来なければリマインドメールを送り、面接して、一日も早く内定、採用につなげていくという、一連の基本のアクションを決めてやり抜くことこそが、王道だと考えています。それを実践できる個人、そして、チームでありたいですね。
 

経営・事業に資する「リクルーター」として価値を高めていくには。「自身のリクルーターとしての価値」で常日頃から仕事をしていること

チームとして成果を上げるためには、一人一人が「プロ意識と専門領域を持ったリクルーター」の集団であるべきだと考えています。というのも現在、全社の事業領域や職種ごとの特徴は多岐にわたり、採用対象は広範囲に及んでいるため、採用チームの中で互いの得意領域やノウハウを共有し生かし合いながら取り組む必要性が高くなってきているからです。

また、採用ニーズや採用人数は景気動向や経営判断に大きく影響を受けるものです。採用活動を取り巻く環境の変化に左右されることなく人材を集めるためには、会社の看板でなく、「自身のリクルーターとしての価値」を日頃から打ち出して仕事をしていることが大切です。例えば、豊富な予算があり大量採用をしているうちは、エージェントを活用しながら母集団を形成することができます。

 

しかし、リーマンショックのような出来事が起きたときや、経営方針が大きく変化し、採用費用が削られたり、採用基準が格段に厳選化されたりして、採用をするにあたって芳しくない状況になったとき、大量採用をしていたときと変わらず必要な人材を集められるかが重要です。会社の状況にかかわらず「○○さんならこの候補者に見合ったポジションを提供してくれるのでは」という期待や、「とっておきの候補者なので御社に紹介したい」というように熱意をもって提案をいただくことができ、かつ、自分でマーケットにいる候補者に対してソーシングできる採用担当者を目指してほしいと思います。


そのために、「IBMの看板があるから採用で成果を上げられる」というのでなく、その看板がなくなっても成果を出し続けられる「プロフェッショナルリクルーター」であってほしいと現在のメンバーに伝えています。自身のキャリアも、リクルーターの経験を極めるのが面白いのではないかと考えています。通常、キャリアステップを考えると、リクルーターの次はHRBPなどともいわれますが、せっかくのリクルーターとしての経験を脇に置いて、新たなステップをまたゼロベースで踏み始めるなんて、もったいなくありませんか。


経営者や事業責任者に対するビジネス上のパートナーとして、特に人と組織の面からサポートを提供し事業成長を実現するプロフェッショナルのこと

リクルーターとして、特にダイレクト・ソーシングの活用などによって個人のネットワークをいかようにも広げることができるわけですから、「自身の価値を高め、採用シーンだけでなくビジネス全般において求められる人材」になる。そういう選択肢が有力なものになればいいですよね。
 

※HRBP(Human Resources Business Partner)経営者や事業責任者に対するビジネス上のパートナーとして、特に人と組織の面からサポートを提供し事業成長を実現するプロフェッショナルのこと

採用動向で競合のビジネス戦略が読み取れる時代に。
これからの時代に求められる「リクルーター」とは

これからは、ビジネスの成長・成功には「リクルーター」の活躍が欠かせない時代になります。採用で重要なのは、日頃から情報収集を行い「マーケットを知る」こと、「コミュニケーション戦略を立てる」こと、そして何より「徹底して実行する」ことです。自分自身も常に意識していますし、採用チームの全員にもその重要性を周知・徹底しています。採用をするために、日々のマルチタスクをいかに積み上げることができるか。目標に向かってやり切れる人が求められますね。

企業には事業ごとに「マーケティングチーム」があって市場や他社の動向を見ていますが、採用において「マーケティング」の役割を担うのは、「リクルーター」です。日頃から市場における人材の動きを見ていると、各社がこれから力を入れようとしているビジネス領域や分野が明らかに分かるものです。

 

ですから、「リクルーター」が採用パートナーとして「現場マネージャー」と仕事をしていくなかで、いち早く各社の動きを察知して情報提供できるのです。これは非常に価値のあることで、従来以上に求められる時代の到来を実感できます。そしてそれは、「リクルーター」だからこそできることではないでしょうか。このように可能性がたくさんある「採用部門」や「リクルーター」について、一人一人のプレゼンスをさらに向上させていきたいですね。
 

日本流の採用を世界に発信するリーダーへ。
英語力やビジネス経験のかけ合わせでさらなる価値向上を目指す

IBMの各国採用リーダーと話していると、世界標準のアクションや考え方、トレンドが分かりますが、日本のそれとは異なります。新しい仕組みやシステムの導入など、学べる点は多いのですが、その一方で日本ならではのオペレーションの強さも実感します。日本流の採用というものを各国に発信しながら、日本ではできていない採用手法のエッセンスを世界から取り入れて日本で発信していくことにも取り組んでいきたいですね。IBMでの今のポジションだからこそ、できることでしょう。

自身を振り返ると、4~5年周期で転職を繰り返してきました。その都度テーマがあって、人事、なかでも採用という領域を一貫して歩んできて、今は「採用リーダー」です。「人材ビジネスの経験」や「英語でのコミュニケーションスキル」があるので、日本で貴重なキャリアを積んできたと自負しています。今までの経験をマーケットに波及させながら、何かしら自分の価値を提供し続けて、「プロ・リクルーター」として常に社内外から求められる人材でいられるよう、自分を高め続けていきたいですね。それが企業人としてなのか、将来独立して、個人の看板で戦える世界に飛び込んでいくことなのかなども考えながら、自己研鑽に励む日々です。
 

杉本 隆一郎 様

1998年、上智大学経済学部経営学科卒業。同年、株式会社ジュピターテレコム入社。人事部にて給与計算、社会保険業務などを担当。2001年よりエム・ティー・ヴィー・ジャパン株式会社(現バイアコム・ネットワークス・ジャパン株式会社)。人事総務部アシスタントマネージャーとして採用、社内研修、人事制度企画に携わる。2006年より楽天株式会社。グローバル人材のMBA採用スタイル確立を皮切りに、採用育成部採用推進課中途採用Gマネージャーとしてエグゼクティブを含むキャリア採用を担当。2012年、LinkedIn日本法人立ち上げに人事責任者として参画。翌年より日本オフィス代表代行を兼務して、ビジネスオペレーション全般を統括。その後アクセンチュア株式会社でのJapan Recruiting Lead職を経て、2017年9月より現職。日本における人材採用全般を統括している。

日本アイ・ビー・エム株式会社
人事タレント・アクイジション 部長
杉本 隆一郎 様

主催:プロ・リクルーター養成講座事務局

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